【あたまに効くサプリメント 第105号】

おはようございます。
日本ランドエンジニアリング株式会社の大橋です。

コラムは
社会の大きなうねりについてです。

新ビジネスを探るは、
本のサブスクリプションサービスについて調べてみました。

今回もどうぞお楽しみくださいませ。

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 あたまに効くサプリメント(毎月1日、16日発行) 第105号
 
 2019/12/16 発行:日本ランドエンジニアリング株式会社
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■目次
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■1 コラム

■2 弊社セミナー情報

■3 新ビジネスを探る

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■1 コラム
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社会の大きなうねり

 某電力会社の関連会社の人と話す機会があった。

 某電力会社でも関連企業がマンションの分譲をしたりするとのことである。
電力会社のグループ会社では、ガスを使わないIHを利用するマンションになる。

 来るべき電気自動車の時代に先駆けて、大手石油会社の某ガソリンスタンドでも
充電施設を設置する計画がある。ガソリンスタンドは、ガソリンの給油だけでなく、
水素ガスの充填、電力の充電等多様なエネルギーを取り扱うことになるかもしれない。
電力については、技術の革新で、一時間程度でフル充電ができるかもしれないとのこと。
そのガソリンスタンドは、自ら発電もするとのこと。
大手石油会社であれば火力発電では有利なポジションが得られる。
自社で発電し、自社のガソリンスタンドで電気を売る。いろんなところで囲い込みが進んでいる。
寡占・独占への道が繋がっている。中小では大手には勝ち目がない。
今の時代は、中国やロシア等の共産主義国家の方が効率的に運用できるのかもわからない。

 不動産の世界でも同じ景色が広がる。大胆な金融緩和の中でも、個人投資家は
融資先としての資格を失いつつある。ファイナンスが上手くいかなければ、市場から退出せざるを得ない。
つまり個人は、住宅ローン以外には、銀行からお金を貸してもらえない。
持ち家以外、賃貸住宅を含む商業不動産は、大手不動産会社に集約されていく。

 どの業界においても人口減少等により市場が縮小すると他の領域に進出せざるを得ない。
資本力のある所だけが生き残る。結果寡占化が進む。

 消費税率が8%から10%になって、1カ月が過ぎた。先行きは判らないが
自動車の11月の販売台数が前年対比17%少ない。経営が悪化する自動車会社が増える。

 年間の総消費額が240万円の人は、月額20万円消費する。実際には181,819円の消費と消費税18,181円になる。
年間では2,181,819円の消費と消費税218,181円になる。

 8%から10%になると2%の税率が上がっただけだが、1カ月分以上を消費税で支払っていることになる。
消費税が0になると、消費額は2,181,819円から2,400,000円なる。

 この場合にどれだけの経済成長になり、どれだけの所得税・法人税等の税収が見込めるのか。
その増加額は消費税額より多いのか少ないのか。消費税廃止といった選挙前の甘い公約より、
論理的な数値を見せて欲しい。
大きなうねりを起こすには、ちゃんとした論理と分かり易い説明が必要だと思うが。

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■2 弊社セミナー情報
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【不動産「考える力アップ!!」セミナー】

不動産の知識を広げ、理解を深め、自分で考える力を身につけることを
目的にしたセミナーです。

★セミナー日程
次回セミナーは日程は未定です。

最新のセミナー情報はこちらからご確認ください。
https://n-le.jp/seminar-info/

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■3 新ビジネスを探る
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本のサブスクリプション「タダ本」

スタッフ大橋です。
今回はネットオフが始めたサービス「タダ本」を紹介します。

書店の減少はご存知の方、体感として感じる方も多いと思います。
2019年では約9600店となっており、いよいよ1万店を切りました。
2000年頃は2万店はあったので、20年間で半減したと言えそうです。

出版市場では、
2015年では1.6兆円、2018年では1.5兆円と減少傾向です。
紙で3000億くらい下がる一方で、電子書籍等で下げとどめているイメージです。
減少分を補填しきれてないということですね。

サブスクリプションとは月額課金やそういったビジネス形態のことです。
月額課金とは、ピアノのレッスンであったり、塾などの教育サービスでは普通でしょう。
電話や携帯料金や電気ガスなどのインフラサービスも同様です。

あえて「サブスクリプション」と言われるのは、ITサービスや今までの課金形態との違いや、
サブスクリプションという形態が合っているという文脈です。
例えば、ソフトウェアでいえばAdobe社のPDF編集ソフトAcrobatは以前は、
ソフトウェアを売り切るモデルでしたが、今は毎月(毎年)のように契約して使う
サブスクリプションサービスとなっています。
マイクロソフト社のOfficeもパッケージも根強いですが、Office365などはクラウド型サービスで、
月額課金等になっていると思います。

最近はさらに、コーヒーをサブスクリプションしたり、居酒屋がサブスクリプションサービスを出したり、
様々というか、乱立しています。
本質的には利用者のことを考えていなければ継続が難しいですし、サービスの品質や利用者数なども
冷静に考えないと厳しい面も多いでしょう。

話を本に戻します。
ネットオフはいわゆる中古本を買えるECサイトです。
ブックオフ等の新古書店の、ネット版といっていいでしょう。

ちなみに、ネットオフはブックオフと違うのかどうかですが、
ネットオフの代表黒田氏はブックオフの起業家支援制度を使って起業しています。
そういう意味では無関係ではないものの、競業規定などがないのか、
ブックオフ側はブックオフオンラインというものを同様にやっていたりします。
資本関係等はないと思いますがよく分かりません。

今回は、ネットオフ側の話です。ブックオフは関係ありません。
ネットオフが仕掛けたのは、古本自体を毎月読みたいものを定額制で読めるサービスです。

このサービスのポイントは、

1)古本の売り方を売り切りでなく、定額制という形に変えた
2)購入できる冊数と金額の設定を独自に設定した(仮説)
3)利用者はおそらく他にも本を買う可能性が高い(仮説)

1についてです。
1冊110円以下といういわゆるベストセラーや流通が多いものは在庫にたくさんあると考えられます。
売れた本というのは同様に古本屋でも多いであろうということです。売る人も多いわけですね。
倉庫にある本がそのままでは価値がないため、何か売れたほうがいいとなります。
そこで、本を低額で出す(ライトプランでは250円/月で、1冊17円相当で15冊まで購入出来ます)ことになります。
17円では利益は出ないでしょう。感覚的に半額程度、例えば110円なら55円程度は売価が欲しい気がします。
また同時に、送料もかかりますので明らかに赤字になります。

2と3は仮説ですが、この金額設定は練られた数値だと考えられます。
古本をよく買う人なら安く、お試しで月数百円なら学生等お金があまりなくても気軽に試せます。
そして3がポイントになるのですが、試供品であったり、何かを購入するということは、
他の本も見たり、ネットオフの提供する別の高い古本(定価の半額等などの古本)を買う機会が生まれます。
この確率もある程度把握されているはずで、例えばユーザー100人いて、利用可能冊数のみで終わる人も
もちろんいるのでしょう。一方で、送料が150円、または無料になるという買い方を提示しているので
1-2割り程度は他の本をより見る、買う機会が増えます。
これで成り立つかまでは計算しておらず、感覚値に過ぎませんが、成り立つような気がします。

定額制サービスとして本を買える、実質タダに近い(スタンダードプランは1冊10円なので)ので、
「タダ本」なのでしょう。
広告宣伝費と割り切れば、ここからどの程度の利用者が他の本を買う等、広がりが生まれます。
そうなると、単なる広告として提供するよりも、より強いアテンション(注目)を得られるのと、
会員登録によって得られる顧客の購買歴や情報もマーケティング的に魅力となります。

もっと見方を買えると、本を買ってそれをまた買い戻すこともあるかもしれないですし、
タッチポイント(利用者との接点)が増えるので、それで次の本を売る事もできるでしょう。
また利用者の家や本を置くスペースは限られるはずですから、買うのも限界があります。
多くの人が利用すれば価値が下がりそうですが、一方で常に中古本が入れ替わり回転していれば、
そこまで期待値を下げることはなくなりそうです。

サービス開始9時間で想定の1000人という登録者を集め一時停止となりました。
想定している広告効果がないとか、他の本を買うユーザが少ないなどで
サービスが継続されるかは分かりません。

しかし、ここでのタダに近い本(これは作家や作者にとっては名誉ではないのでしょうが)が、
サブスクリプションという形で展開されることで全く違うサービス、とくに宣伝効果に期待される、
ものに仕上げたのはとても面白いと感じました。

サブスクリプション=月額課金とだけ覚えていても使いづらいというか使えないのですが、
既存のサービスを見ることで全く違う考えを見出す事もできると思います。

最後に視点を変えると、二次流通(中古等売買)においては、一次流通である新刊本が売れないと
スタート出来ません。冒頭で出版として紙の本が3000億減ったとありますが、この分が
すぐにではないものの近い将来古本としての商品が確保しづらくなることも懸念されます。
そういう意味では、中古売買においても著作者に一部還元されるなどの仕組みを作るなど
新たな仕掛けも必要な気がしています。

何か参考になれば幸いです。

参考
https://www.nippan.co.jp/ryutsu-gakuin/statistics/
http://www.1book.co.jp/001166.html
https://www.ajpea.or.jp/information/20190125/index.html
https://hon.jp/news/1.0/0/25681
https://www.netoff.co.jp/tadabon/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000012285.html
https://www.bookoff.co.jp/corporate/company/bookoffonline/company.html
https://corp.renet.jp/company/history.html


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